
事件の発端:「あの日、風が止んだ」
あれは10年前の、夏の終わり。
風鈴が鳴り止んだのは、ほんの数秒の出来事だった。
誰もが、その沈黙に何かが消えたことを、気づいていたはずだったのに——。夏休み直前、高校3年生の君たちのクラスで、文化祭の準備が始まった。
なぜか、出し物は「風鈴カフェ」に決定。実行委員として、楓・蒼・香、そしてアメリカから戻ってきた転校生・樹が選ばれた。
調査のために訪れたのは、かつてよく遊びに行った風見堂の工場跡地。
今は閉ざされた、あの夏の“記憶の倉庫”。
そこで起きた、小さな異変。
それは10年前、君たちがまだ小学生だった頃、誰も語らなかった後悔を呼び覚ましてしまう——。
探索パート 🔍:工場跡での探索(パズル×感情)
🎒 探索対象リスト(一部)
| 場所 | 発見物 | 解説・ヒント |
|---|---|---|
| 倉庫の棚 | 小さなガラス片 | 鋭く割れた断片。よく見ると“刻印”のようなものが… |
| 作業机の引き出し | 古びた帳簿/借用書の写し | 「風見堂」と記された帳簿。最後のページに破かれた跡が |
| 風鈴の山 | 1つだけ異音のする風鈴 | 中を覗くと、小さな黒いチップのようなものが…(※マイクロSD) |
| ガラス炉の近く | 黒く焼け焦げた手袋 | 子ども用サイズ。なぜこんな場所に? |
| 奥の部屋(立入禁止区域) | 落書きされた壁 | 「またここで会おうぜ」…これは誰が? |
各キャラの記憶回想パート 🕰(10年前のあの日)
※プレイヤーが順番に“記憶の風”をたどる形で読み上げる。演出として、SE:風鈴の音、蝉の声、風音、薄い残響。
楓の記憶 🌿

あの日の空は、すこしにじんでいた。
工場の机の上、誰にも気づかれないように、小さな風鈴を撮ろうとした。
でも、その横に置かれていた“知らない書類”も、カメラの中に——本当は…わかってたのかもしれない。
これは撮ってはいけないものだって。
だけど私は、それでもシャッターを切った。「私は、あの日、見て見ぬふりをした」
🕊 (キャラボイス演出:静かな音楽と風の残響)
蒼の記憶 🔥

楓があんな顔して工場を見てたの、気づいてた。
だから、ちょっとイタズラしたくなって、カメラを隠したんだ。
だけどその中に“やばいもの”が写ってるって、見た瞬間、わかった。……俺は、壊した。
バレなければ、全部なかったことにできる。
でも、壊したのに、忘れられなかった。
何より、あの時の楓の顔がずっと消えなかった。「あの時、俺が逃げたんだ」
🌊 (キャラボイス演出:急に止む蝉の声、深く吸い込む呼吸音)
香の記憶 🌕

誰にも言えなかった。
工場にこっそり忍び込んだ理由も、そこで見たことも、全部。おじさんが知らない男と何かを渡していた。
それを見たとき、手が震えた。そして——デジカメが壊されるところを、私は見た。
でも言えなかった。
誰も傷つけたくなかった。
だから、こっそり拾ったSDカードを、風鈴の中に隠した。「ごめん。私は、ずっと隠してた」
🍂 (キャラボイス演出:風鈴の単音が響く、静寂)
樹の記憶 🌬
父が倒れた日、私は何もできなかった。
香が話してくれた内容も、証拠がなかったから信じてもらえなかった。……悔しかった。
父は、人を信じる強さを持っていたのに。
私は、信じてもらえる言葉を、持っていなかった。だから、私は変わった。
誰よりも努力して、誰よりも理論的に。
二度と“信じてもらえない自分”にはならないと決めた。そして——
この夏、君たちにもう一度問いたかった。「信じるって、どういうことなんだろう?」
🌪 (キャラボイス演出:風が吹き抜ける音と共に、光が差し込む演出)
証拠の整理パート → 告白シーン → 推理の最終選択 🌬️
証拠の整理パート 🔎
※このパートでは、探索で得た“証拠カード”や“記憶の断片”を照らし合わせ、矛盾や関係性を洗い出していく。GM(樹)が進行。
プレイヤーに提示されるキーアイテム 🧩(抜粋)
| 証拠カード名 | 内容 | 示す真実 |
|---|---|---|
| 風鈴の中に隠されたSDカード | 写真データは消去されているが、撮影日時と枚数は確認できる | 実在していた“あの日の記録” |
| 壊れたデジカメの外装 | 撃ち壊された痕跡と、香の指紋 | 香が拾ったのは“壊れた後”である証拠 |
| 債権譲渡通知書(ぼやけた写真) | 画面の端に書類の一部が映っていた | 叔父の不正の証拠だったかもしれない |
| 鍵のかかった金庫のスケッチ | 蒼のノートに描かれていた記録 | 蒼が何かを“閉じ込めよう”としていた? |
| 駄菓子屋に残されたノート | 工場再建を目指す樹の父の想いが書かれていた | 父の本当の姿と夢 |
プレイヤー間の会話例 🌟
楓「この写真…見覚えある。…私が撮った時、こんな書類…映ってたなんて…」
蒼「……それ、俺が壊した。わざとじゃなかった…って言いたいけど……」
香「そのあと、私が拾って…風鈴に隠したの。だって…忘れたくなかったから…」
樹「……ありがとう。みんなの“本音”を、今やっと聞けた気がする」
告白シーン 💬
プレイヤーひとりずつ、GMの合図で“本音”を語る。
場合によっては嘘をついてもいい。ただし、全員が真実を語れば「A1ルート」が解放される。
告白トリガー 🎭(演出)
- 「風鈴の音が鳴った時、心にあった言葉をひとつだけ話してください」
- 「あのとき、本当はどう思っていたのかを、今、教えてほしい」
推理の最終選択 🕵️♂️
プレイヤーに渡される選択シート/もしくは口頭での発表。
ここで出す選択によって、4つのエンディングのどれに進むかが決まる。
選択肢の内容 🔻(例)
- あの日のデジカメに、本当に不正の証拠が映っていたと思うか?
- 壊したのは“故意”だったのか“過失”だったのか?
- 香はなぜSDカードを隠したと思うか?
- 樹が求めていた「信じる」とは何だったのか?
そして最後の問い:
「君は、この仲間を“信じますか?”」